【おすすめBOOK】『放送の自由: その公共性を問う』 (川端 和治、2019/11/21)

 非常に危うい日本の放送。いや制度発足当初の一時期は、政府から独立した規制機関が存在したが、その後はずっと、民主主義を標榜する国とは思えない異常な状態が続いている。そして放送は、「放送と通信の融合」の時代に直面。変革期のどまんなかにあって、その存在意義が問いなおされようとしている。新聞離れ、テレビ離れも指摘されながら、作り手自身の内部変革の潮流は、起きては消えを繰り返し、先細るのみ。ならば、結局大切なのは、読者・視聴者の側の質的転換ではないか、と私(小鷲)はずっと思っている。
 もちろん受け手と作り手双方の質的転換が大事という考えは変わらないし、そもそも放送免許交付の権限を政府に握らせた状態から抜け出そうとしない変な国、日本。その後進性は、政治の劣化が著しい時代にあっては、その劣化を著しく増幅させて拡散するものであると、実感をもって危惧し続けている。
 本書が整理し、問いかける内容は、まさにその重大な社会的局面と時代の要請に適合するものといえるだろう。